トヨタ流
--自分を変える成功ノート
カルマン社長 若松義人
入力理由:
全世界はバブル経済環境を囲まれる現在に中国人をもっと強くなるため、外国の色んな良いところを学んで自分自身を変えるため、この本を連載の形で入力し始まります、読者皆の中にただ一人に役に立つと、私は成功です。
--------------waclj2006
正文:
前書き
筆者は、トヨタ自動車で働いていた当時の師である大野耐一氏の教えをノートに記し、読み返すのを、今日でも習慣にしている。
ノートにはトヨタ生産方式のノウハウが並んでいる。当時は、物づくりの手法として読んだのである。
だが、年を経て、トヨタグループ以外で仕事をするようになって、「ああ、本当の意味はこうだったのか」と気付かされる事が増えてきた。
「私も大野さんの本を年に何回かは読み返していますよ」と、筆者と同年代のトヨタマンも言う。かつて大野氏のもとで仕事をした事のある人の多くが、物づくりと共に人間形成や生きかたの面でも、強い影響を受けている。
物づくりの現場は大きく変った。筆者のように今では自動車とは別の世界で生きている人間もたくさんいる。にもかかわらず、何かあるたびに「大野さんなら、こんなときどうしたかなあ」とかんがえることがよくあるし、ノートをじっと眺める事もしばしばた。
物づくりを通じて筆者が身につけたトヨタ流のものの見方や考え方は、生産現場以外の場所で働く多くの人にとっても、人間形成や生き方のヒントとして有用であると気付くのである。
「物を作る前に人間をつくれ」は、トヨタ創業以来の一貫した考え方だ。筆者を含む多くのトヨタマンは、物づくりを教わりながら、ものの見方や考え方、人生の基本的態度を叩き込まれた。だからこそ今日があるのだし、身につけたことが年を経た今でも充分に役立つのだろう。これがトヨタの強さを形成し、今もトヨタを動かす力になっている。
いつの時代でも、人づくりの大切さは皆が認識している。しかし現代では、多くの企業や組織が、かつてのようにじっくりと時間をかけて人を育てなくなってきた。現代では、人づくりは「育てられる」よりも「自ら育つ」意味になっている。
その「自分づくり」に、筆者が仕事を通じて身につけたことが何か参考になるのではないかと考えて、本書を執筆した。
中には本書を読み、「自分には無理だよ」と感じる人がいるかもしれない。気にする事はない。
例えば生産改革を望む企業に対し、筆者は「六十点取れればよい。まずやってみよう」と声をかけるようにしている。企業も人も変りはない。最初から百点満点を取る必要はないのだ。ぎりぎりの合格点であっても良いから、日々改善、日々実践にまず着手する事が大切だ。
ごく当たり前のことを、何度も、角度を変えて繰り返していく。人生や仕事の知恵は、その中で身につくのである。
やや泥臭く思えるかもしれない。しかし、本当のつよさ、深い知恵は、当たり前のことを当たり前に、徹底的に続ける事で自分の物になると思う。
トヨタ流は、人の知恵を信じ、人の可能性を信じることで成り立っている。読者にも、自分の知恵の素晴らしさ、自分の可能性の大きさをぜひとも信じていただきたい。そうすることで人生はもっと豊かになるし、大きく成長する事が出来る。本書で、そのベースとなるものの見方や考え方を、しっかりと身につけて欲しい。
かつてあるトヨタマンが、大野氏の関係を「師匠と弟子」と表現していた。彼の言いたかったのはこういうことだ。「上司と部下」は、会社の中だけの関係である。働く場所が変れば、関係も変ってしまう。それに対して「師匠と弟子」は、生涯続くものだ。仕事や利害を離れて、よりよい生き方の根本をいつまでも参照できるのは師なのである。
本書から汲み取った知恵も、読者にとって、いつもでも参照できるものになれば幸いである。
二〇〇四年八月一〇日
カルマン株式会社
若松義人