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トヨタ流ーー自分を変える成功ノート [复制链接]

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离线waclj2006
只看该作者 10楼 发表于: 2008-11-20
◆「まあまあ」は愚か者の安心である
  その視点で自社の物づくりを見ると、問題の多さに愕然とせざるを得なかった。特に在庫の多さがひどい、生産量の見込み生産で、受注生産は一割しかなかった。しかも在庫から順次納品できていない。お客様の千差万別の注文に応じて在庫品を組み替えたり、改造して納品したりする二度手間になっていた。
  トヨタ流の「在庫は罪悪」「売れるものだけをつくる」への転換なしには、競争力の回復は不可能だった。
  E社はトヨタ生産方式をベースとする生産改革に着手した。その結果、現在では生産量の八割が受注生産になっている。二割はまだ見込み生産だが、在庫として抱えても確実に売れるものに限られている。これにより、在庫量は最悪期の四分の一にまで減り、キャッシュフローも大きく改善されつつある。
  まだまだ改革途中であり、リードタイム(商品の受注から納品までの期間)の短縮など課題はおおいが、少なくとも国内の同業他社との差別化は可能になった。ベンチマーキングの対象とした企業と比べても、いくつかの項目で近いレベルまで来ている。
  この生産改革は、E社に多くの教訓を残してくれた。
  社内に目が向き、国内の同業他社だけを意識していたときには、そこそこの改善をしていればよかった。ところが、ベンチマーキングで世界に目を向けると、その程度ではどうにもならない。コストハーフであるとか、五分の三カットといった大胆な改善なしには戦えない。目標が高いだけに、生産部門だけではなく、開発、設計、調達部門も巻き込んだ全社一丸、一気通貫の改善が不可欠となる。この取り組みが会社の風土さえ変えていく力になった、というのが管理職氏の感想だ。
  歩みは一歩ずつ着実でかまわないが、目標は高く掲げる。「とても出来ない」と可能性を閉ざさない事だ。目線を高くすることで初めて見えてくるものは多い。

自分を変えるのは「不可能なほどの大目標」
ノート
□目標が高くなると視点が高くなる
□視点が高いと大局が見えてくる →一流人「最善」を目指す、二流人が「中庸」を求め
□「最高峰」をベンチマーキングしよう

ベンチマークのスケジュール
             目標の設定
               ↓
             ベンチマークの設定
               ↓
             比較検討
               ↓
             理想を描く
               ↓
             理想達成のステップ画
               ↓
              実行ーーーーー→評価
                  ↓これを何回も繰り返す
               ↓
              目標達成
               ↓
              新たな目標を設定する

ベンチマークの対象は規模を問わない
トヨタは売上規模で60倍もの差がある当時からGMを目標とした。
部品一点一点まで原価を比較、GMに負けているものを「無駄遣い」
として、日々改善に努めた。一円、二円と無駄遣いを減らし、
やがて目標を達成できた。  
离线waclj2006
只看该作者 11楼 发表于: 2008-11-23
  常識から半歩離れると成功へ一歩近づける
  工場などで事故が起きたときに、「マニュアルで決められたものを使用、着用していなかった」などと報じられる事がある。そこには「マニュアル通りにしていれば、大事故にはならなかったのに」という無念さと批判が込められている。
  確かに、何事も、慣れてくるにつれ、「仕事で危険な現場にいる」とか、「危険物を扱っている」「人生は危険の連続である」とかいった意識が薄れ、決められたことを守らなくなりがちなのは事実だ。
  だが、「マニュアルさえ守ればよい」というだけでよいのだろうか。
  例えば安全歩行に手すりが不可欠な場所で、「手すりを持って歩く事」というルールがあり、ポスターも貼ってある。にもかかわらず、手すりが錆びたり、壊れたりしているケースがある。マニュアル以前の問題も考えなければならない。
  また、同様の場所で、手すりを持たずに階段を駆け上がる危険行為が日常化しているケースもある。企業も人も、安全に対する認識が薄れてくると、認識が薄れた事自体を忘れてしまうのだ。それが大事故につながる事も多い。
  安全意識が薄れる理由の一つに、「なぜ」を理解していない事が挙げられる。
  トヨタ生産方式を実践しているある企業の役員が、社員に「なぜヘルメットをかぶるのか」と問いかけた。社員の反応は「何を今さら」というものだった。「ヘルメットは安全のシンボルであり、ヘルメットをかぶらずに構内を歩く事は禁止されている」と答える社員に、役員はこういった。
  「産業界には、ヘルメットをかぶらずに作業についている工場がたくさんあります。なぜか。決して怠慢ではありません。ヘルメットの装着が、運動能力のわずかな低下や、五感、思考能力の小さな鈍化といったマイナス面を考慮に入れての事なのです。
  では、当社にとってのヘルメットはどうなのか。皆さんは『常識だから』『身につけなければならないといわれているから』という理由だけでヘルメットをかぶっています。しかし、自分の現場、自分の仕事にって、ヘルメットの持つ意味は何なのかを知った上で着用しなければ、いつしかかぶらなくなってしまうかもしれません。必要なのか必要でないのかを真剣に考えていただきたくて、『なぜヘルメットをかぶるのか』と問いかけてみたわけです」と。
离线waclj2006
只看该作者 12楼 发表于: 2008-11-24
◆常識は不変ではない
  物事は「常識だから」「マニュアルにあるから」といった惰性で続けていると、いつのまにか手を抜いたり、無視しても平気になってくる。ヘルメットなども、なぜ必要なのかを理解していなければ、「暑いから」「面倒臭いから」といったつまらない理由で装着を怠ってしまいがちだ。これでは「安全第一」のポスターやマニュアルも、かけ声倒れに終わる。
  ヘルメットに限らず、自分の周りのルールや、マニュアル、作業内容の一つ一つについて「なぜ」と問いかけることが大切だ。「なぜヘルメットをかぶるのか」「なぜこの作業が必要なのか」を問う事で、必要か不要か、無駄は内科が見えてくる。
  「常識だから」の一言で片付けるのではなく、日ごろ「当たり前だ」と思っている。原点のようなところを糸口にして考える。そうやって一つ一つを見つめ直してこそ、仕事の質は高まり、人は成長するのだ。
  安全のシンボルであるヘルメットでさえ、「なぜ」と問いかければ、たくさんの事が見えてくる。他のルールや作業法にまで広げれば、いくらでも「なぜ」と問いかける事が出来る。そして、「常識だから」の壁を破ることでいくつもの改善点が見えてくる。
  セブン?イレブン?ジャパンの鈴木敏文会長が、「世の中が変化し、イノベーション(変革)が進んでいくことによって、常識はどう度運変っていくのです」と話していた。
  確かに、コンビニエンスストアの登場以前には、二十四時間営業や年中無休の商売はほとんどなかった。それが、今やあらゆる業態でいくらでも見ることが出来る。かつての非常識が常識となり、かつての常識が今の非常識になっている。
  「常識だから」「ルールだから」は禁句にする。当たり前のルール、当たり前の作業、日ごろ当たり前と思っていることにも「なぜ」と問いかけてみよう、「常識だから従う」ではなく、「常識だから疑う」所からスタートしよう。
  「良識ある者は、たとえ歩みは遅くとも、足の速い人に追いつく」とは、古代ギリシアの詩人テオグニスの言葉だ。常識に縛られていると思ったら、常識を「良識」という言葉に置き換えて考えてみたらどうか。
  
「常識だから」を疑おう
ノート
□慣れていることにこそ「なぜ」をぶつけよう
□「常識じゃないか」は禁句     →慣れは敗北の始まりである。
□世間の常識自体も変っている。
离线waclj2006
只看该作者 13楼 发表于: 2008-11-25
第二章
「自分のために」で発想しよう
           ----「横並びを抜け出すカギ」としてのトヨタ流

漫然と前に出る人より、決然と後退できる人が勝つ

  若き日に地方の子会社の経営を任されたF氏の話だ。
  その会社は地元資本との合弁で、責任者が経営の悪化から夜逃げしたため、親会社にいたF氏に白羽の矢が立てられた。抜擢といえば抜擢だが、若いF氏には企業経営の経験が全くない。昼間は新規の顧客開拓に奔走し、夜は遅くまで財務や法律の勉強をするハードな生活を続けた。その結果、一年目に何とか累積赤字の一掃にめどが立った。二年目には黒字に転換する。
  ところが、再建が軌道にのったかにみえた三年目に、事業を強化する先行投資が必要になった。再び赤字が避けられたくなった。
  仕方がない。自分を抜擢してくれた親会社の社長に電話をかけて報告した。
  「来期は赤字になります」
  すると、いきない「バカ野郎!」とどなられ、電話を切られてしまった。
  F氏は一晩じっくり考えて、翌日、再度電話をしていった。
  「来期は赤字にします」
  今度は社長は、「分かった。了解しよう」とあっけないほど簡単に了承した。
  これは、どういうことだろうか。
  「赤字になる」と「赤字にする」では大きな違いがある。将来に対する確固たる意志があっての「赤字にする」は了解するが、意志が感じられない「赤字になる」は許さない。それが親会社の社長の考えだった。
  このように、仕事は意識を持ってやるかどうかで大きな差が出る。
  トヨタ流は、「問題がおきたらラインを止める」が基本だ。不良が発生したり、異常が生じたりした場合は、ラインの人間が自分でラインを止めて、なぜ不良が発生したのかを追求する。そして同じ不良が発生しないように改善を加える。「ラインを止める」ことで、よりよいライン、よりよい品質が保証される。
  「問題があおきたらラインが止まる」というのはトヨタ流ではない。ただの行き当たりばったりである。部品が足りなくなるとか、作業が間に合わない、機械が故障するなどの結果として「ラインが止まる」のは、日ごろの準備不足などが原因であって、働く人の意志ではない。 
离线waclj2006
只看该作者 14楼 发表于: 2008-11-26
◆「今までこうだった」で人生を生きるな
  大野耐一氏がしばしば口にしていたのが、「この品物はつくったものか、できたものか」だ。あちこちの会社や工場を訪ねてはこの質問をしていた。たいていの場合、返事は返ってこない。
  トヨタ流の物づくりの要点は、「つくりすぎ」をいかに抑えるかにある。必要なものを、必要なとき、必要なだけつくる事が大切であり、無駄な在庫を抱えることは罪悪となる。在庫を前にして、「この品物はつくったものか、できたものか」と聞かれれば、返事に窮するのは当たり前だ。
  「出来たものです」と答えたら、管理能力ゼロと思われてしまう。何の意志も計画もなく、昨日と同じように今日もばたばたと動いたら品物がたくさん出来まして、在庫に、なりましたでは話にならない。
  在庫を前に「つくったものです」と答えたら、「売れないものをわざわざつくったのはなぜか」と再質問されるだろう。在庫を「つくった」とはいわない。在庫は「出来た」ものである。
  大野氏が言いたかったのは、つくりすぎを抑えることの大切さである。仕事は、何だか動いているうちに「出来ちゃった」ではなく、意志をもって「つくった」結果でなければならない、という事だ。
  漫然とやる仕事から、進歩は期待できない。
  漠然と生きる人生に、成長はありえない。
  「何のためにこの仕事をしているのだろう」「自分は誰のために生きているのか」という基本を大切にする。自分のつくっているものや書類が何の役に立っているのか、どういうふうに使われているのか自問してみるといい。自分の言動や存在が誰の役に立っているのか、どういうふうにおもわれているのかを見直すといい。
  そうすれば、たくさんの改善点が見えてくる。どうすればより仕事の質、人生の質を高める事が出来るかも見えてくる。
  「上司に言われたから」「ずっとこの生き方だから」ではいけない。日ごろから自分の頭で考え、意識を持った仕事、生き方をすることが大切だ。そうすることで初めてなりゆきまかせの受身の生き方を変えることが出来る。能動的であれば、失敗もそれほど怖くなくなる。恐れずに失敗できる人が成功する。

「させられている」意識と決別する
ノート
□「-になります」と「-にします」で大差がつく
□常に「自分でやる」意識を強く持つ     →「つくる」と「出来る」の大差がわかるか
□「何のため」「誰のため」を忘れない
离线waclj2006
只看该作者 15楼 发表于: 2008-11-27
  自分だけのマネ方をしよう、それがオリジナルになる
  あるトヨタマンGさんが、大野耐一氏のもとで改善に取り組んでいたときの話だ。
  夕方、大野氏が職場に来て、ラインの改善を指示した。そして、改善の結果を「明日の朝、見に来るから」と言い残して帰った。もう時間がないし、Gさんは、とりあえず、大野氏に言われたとおりの改善をした。
  翌朝、ラインを見に来た大野氏は、烈火のごとく怒り出した。
  「どうして俺のいったとおりにやる?」
  いわれたほうは、溜まったものではない。上司の指示通りにやったら、「指示通りにやるんじゃない!」と怒られる。ひどいではないか。
  だが、しばらくしてGさんは、大野氏の真意に気付いた。いわれた事をいわれた通りにやるだけでは「カタログエンジニア」である。それでは仕事とはいえない。指示された内容に自分なりの知恵をつけて、もっといい改善をして、初めて仕事をしたといえるのだ、と。
  トヨタに「ヨコテン」という言い方がある。「横展開」の略で、ある部署でよい事例が出来ると、そのノウホウを他部署にも同じように広げていく事をさす。いわば情報の共有化である。
  このヨコテンでも、他部署の成功事例をただマネのではいけない。そこに自分たちなりの知恵をつけて、さらに良いものに仕上げていく姿勢が重視される。新たな知恵が付けられた事例が、さらにヨコテンで広まることで、グループ全体の競争力が格段に増していく。
  上司の指示通りのやり方をする。他部署の事例をそっくりマネる。機械をカタログ通りに使う。トヨタ流は、これらを仕事とは呼ばない。いずれの場合も、自分なりの知恵をつけて、よりよいやり方へと変えていく事が求められる。
  それでこそトヨタ流の仕事術である。加えられた知恵の数だけ競争に勝てる可能性が向上すると考える。
离线waclj2006
只看该作者 16楼 发表于: 2008-11-28
◆「違い」は力になる
  「なぜ『隣も同じことをしている』と考えるのか」
  ある金融機関H社の改革に乗り出した人が、業界の横並び体質を批判して言った言葉だ。これは、金融業界やH社だけにかぎった話ではない。あらゆる業界で、横並び体質が蔓延している。新商品や新しいサービスがヒットをすると、いっせいに、皆が、同じようにマネる。市場が右肩上がりで伸びているときは、このやり方でそれなりに利益を享受できるが、市場の伸びが止まると、誰も儲からないままに終わる。
  横並び体質は、日本企業の悪弊の一つともいわれるが、人間なら誰でも陥りがちな弱さととらえることもできる。それだけに、この体質を早く徹底的に克服した人が勝機をつかむのだ。
  かっては欧米流や同業他社のマネをしていれば、それなりに成長できた時代もあった。人によっては、成功者のマネをして成功した体験をもっていたりもするだろう。横並び体質を一気に捨て去るのは難しいかもしれない。
  だが、金融機関H社でも、最近は他社との差別化を意識したさまざまなサービスを工夫し始めている。待ち時間の短縮や、閉店時間の延長といったちょっとした工夫だが、横並びからの脱却を図る姿勢は評価できる。「隣も同じことをしている」と安心するのではなく、隣がしていない何かを見つけることから、大きな成長が始まるに違いない。
  一切のマネを一気に排して、独創性のみを追求するのは困難だ。だから、どんなときでも自分なりの知恵をつける癖をつけることが重要である。知恵をつけることが日常になれば、やがて横並び体質も改善され、そこから新しいものも生まれてくるようになる。
  トヨタ流に、こんな言い方がある。
  「他社より、何か違った知恵がついていないと競争には勝てない」
  他社と同じ酔うな機械設備、同じような材料、同じようなやり方で自動車を生産すれた、企業間の差はほとんど生じない。だが、同じ機械を導入しても、企業独自の使い方を工夫して、より効率のよい生産の仕組みをつくれば、商品にも原価にも、大きな差が生じてくる。
  成功者のやり方をただマネシテ、「そこそこの成功をしました」というのはトヨタ流ではない。小さくてもいいから絶えず自分なりの工夫を加えていく。結果として、新しい成功が生まれ、新しい成功法則が得られる。「独創」や「オリジナル」とは、そういうことではないのか。

「コピー」をするな、「マネ」をしろ
ノート

□「上司の指示通り」では駄目
□あらゆることに自分なりの工夫を加える   →知恵を出す癖をつけると競争力がつく
□オリジナルとは小さな工夫の積み重ね
离线waclj2006
只看该作者 17楼 发表于: 2008-11-30
成功体験は未来の保証書ではない、成功体験は未来の紹介状だ
  「生産の平準化ができないので、『看板』を使わずに対応しているのですが??????」
  あるトヨタ出身Iさんが、食品メーカーの生産改革に着手し、慣れ親しんだ「看板」を持ち込もうとしたところ、困った事態に直面した。
  ちなみに平準化は、つくるものの量や種類を平均化することで、必要なときに、必要なものを、必要なだけ、というジャスト?イン?タイムの実現に不可欠だ。また、「看板」とは、作業指示票のことで、後工程が前工程に必要なものの生産や運搬などを指示する情報書である。同時に「つくりすぎの無駄」を防ぐ道具でもある。
  食品メーカーにスーパーなどから来る注文は、店頭での売行が大きく左右する。曜日や天候で、注文の量も種類もまるでちがってくる。
  Iさんは、最初は、無駄な在庫を抱えないよりに、材料の仕入れを「看板」を使うことで調整しようとした。
  だが、生産する量や種類がこれだけ毎日バラつくのでは、無理に「看板」を導入すると、取引先に多大な負担をかけてしまうことになる。かといって、無理に平準化をすると、今度は注文と関係なしに生産する事になるため、つくってすぐに新鮮なものを届けるというメーカー本来の姿を保てなくなる。
  悩んだ末にIさんが出した結論は、「看板」に固執するのではなく、「お客様に最も近いところから改善を進めていこう」だった。
  食品メーカーの命は、新鮮さにある。スーパーなどから注文が入ったら、必要なものを、必要なときに、必要なだけ、短時間でお届けできるようにするのが当たり前だ。それに徹しようと決めた。
  その食品メーカーは、それまで、生産が間に合わない事が多かった。欠品が生じたり、倉庫にある在庫で対応したりというケースが少なくなかった。そこで、注文即生産、すぐに納品という体制作りを目指す事とした。当面は仕入れ面などに無駄を抱える事となる。だが、お客様のためにはこれがベストと考えた。
  そうやって改革を進めていた矢先に、大野耐一氏がふらりと会社を訪ねてきた。改革が順調に進んでいるか、様子を見に来たのだ。そのときにIさんが大野氏に発したのが、冒頭のセリフだった。「『看板』を使わずに対応しているのですが、これでいいでしょうか」と尋ねたのだ。
  答えはきわめて明快だった。
  「改善はお客様のためにある。『看板』は一つの手段なのだから、無理に使う必要はない。無理につかうと凶器になることもあるから、今のやり方でいい」
离线waclj2006
只看该作者 18楼 发表于: 2008-12-02
◆「よそで成功した」は安全保障になるか
  トヨタ生産方式として世間に知られているもの中には、ただの手段や手法にすぎないものが多く含まれている。
  「『看板』を使っているからトヨタ生産方式だ」とか、「改善さえ心がければトヨタ流である」などと誤解をしている人がいる。
  しかし、大切なのは「本当にお客様のためになっているのか」「原価低減に確実につながっているのか」である。それを忘れて表面的な手段や手法ばかりにとらわれるのは、トヨタ生産方式とは呼べない。まして会社の事情や働く個人の事情を無視、軽視して一方的に手段、手法を押し付けるようでは、そもそも仕事の基本姿勢が問われる。
  現場の人の知恵を活かしながら、お客様のために日々改善を続けるのが本当のトヨタ流だ。そのための手段、手法の一つである「看板」は、使わないほうがいいこともある。使うとしても、会社や人の事情に合わせて改善をし、混乱を招かないようにするべきだ。
  世の中には、企業経営や自己啓発に関するたくさんの理論や手法がある。その仲には、大きなブームになり、皆がこぞって一つの理論や手法に飛びつくことがある。しかし、たいていは一過性で終わったり、導入したが混乱を招いただけで忘れ去られるものだ。
  そういう理論や手法には、いい面もあれば悪い面もある。自社や自分にとって合うものもあれば合わないものもある。
  いい面やあうものだけを利用すればいいものを、「よそで成功しているから」と無批判に導入してしまうと、結局は矛盾が生じて投げ出すことになる。理論や手法が悪いというより、万能薬であるかのように信じて無批判に導入したほうに問題がある。
  理論や手法は必ず自分流、自社流に改善をして用いる事だ。そうすることで初めて、自分自身の成長につながる。トヨタ流そのものも絶えず改善されている事を忘れてはならない。

「成功法」を上手く使え
ノート
□成功理論には有用面と無用面がある
□理論や手法は自分流に改善して用いる  →成長を目標にしよう、成功は手段と考えよう
□「トヨタ流」自体も絶えず改善されている

               自分オリジナルをつくる
    手段    手法     理論     戦略     戦術      成功事例
     ↓     ↓       ↓      ↓       ↓        ↓
   自分に向かないもの ←  鵜呑みにしないで自分のフィルターを通す →    悪い面
                   ↓いい面自分に合うものだけを
          そのまま取り入れるのではなく自分流に改善する
                   ↓ずっとやり続ける
               自分オリジナルになる
离线waclj2006
只看该作者 19楼 发表于: 2008-12-02
「自分なら?」を口癖にし、「自分には??????」を禁句にする
  流行のお店の仕掛人として知られる人が、こんな話をしていた。
  「お客様が入っていないお店へ行ったとします。たいていの人は、『この店は、はやっていないなぁ』で済ませてしまいます。それで終われば、そこからは何も生まれません。
  私は若いころから『なぜこの店にはお客様が来ないのだろう。どうすればお客様が来るようになるのだろう』と自分のことに置き換えて考えるようにしてきました。『自分ならどうする』と問いかければ、いくらでも考えることはあります。それが、今の仕事にはとても役に立っています」
  この話を聞いていて「問題のホルダー(所有者)」という言葉を思い出した。
  あるトヨタマンJさんが、海外工場の技術指導に赴いた。改善活動を定着させようと、月一回の勉強会を開催した。現地で働く人たちの「トヨタ生産方式を学びたい」という意欲は強く、勉強会には毎回たくさんの人が参加した。最初は「日本より熱心だ。期待できる」と安心していた。
  だが、何ヶ月かするうちに奇妙なことに気がついた。勉強会では仕事の問題点がいくつも指摘され、どうすればいいかという案も出るのに、翌月、Jさんが、「改善されたかな」と現場を見に行くと、以前のままで改善された形跡がない。
  そんなことを繰り返すうちに、「これでは勉強会の意味がない」と感じるようになってきた。そこである日「なぜ、勉強会で学んだことを実行に移さないのか」と尋ねてみた。答えはこうである。
  「自分たちはトヨタ生産方式にはとても興味がある。上司も勉強会に参加するように奨励している。だけど、自分たちの仕事は、上司から言われたことを実行することであって、改善する事は自分たちの仕事ではない」
  ラインはスタッフから言われたとおりの仕事をすればいい、というのである。問題点を発見して改善するのはスタッフの仕事だ、という考え方だ。
  これではいくら勉強会を重ねても、現場レベルでの改善活動等出来るはずがない。問題意識のない人に問題が見えるはずはないからだ。問題点を指摘したところで、解決策を真剣に探る動きが出てくるわけがないのである。
  トヨタ流の改善は、現場で働く一人一人が「問題のホルダー」になって初めて、効果を発揮する。
  以来、Jさんは、勉強会よりも、いかに問題意識を持たせるか、いかに動機付けを行うかに指導の力点を置く事にした。そして改善活動の定着に成功した。