日本人の結婚観
結婚(けっこん)について、日本人はどのような考えを持ってきたのだろうか。
どのように配偶者(はいぐうしゃ)を選び、どのようなプロセスで新しい家庭(かてい)が生み出されるのだろうか。
見合い結婚から恋愛結婚へ
江戸時代(17-19世紀)の結婚は、武家(ぶけ)に代表されるような、本人(ほんにん)の意思(いし)に関わりなく親族(しんせき)が決める結婚と、庶民(しょみん)のあいだの自由恋愛(じゆうれんあい)による結婚がともにあった。ところが明治時代(19世紀末以降)に入ると、階層(かいそう)を問わず、見合いによる結婚が広がった。見合いとは、結婚の意思をもって、仲人『(なこうど)あるいは(ちゅうにん)と呼ばれる仲介者』を仲介(ちゅうかい)して男女(だんじょ)が顔を合わせることをいう。結婚前に互いに顔を見ることができる点は、江戸時代の武家の例に比べると、多少(たしょう)なりとも個人(こじん)が尊重(そんちょう)されていた。しかし見合い結婚は、財(ざい)や家柄(いえがら)を含めた『家』の維持存続(いじそんぞく)を第一(だいいち)とする考えが前提(ぜんてい)となっており、本質的(ほんしつてき)には、親族(しんぞく)などの周囲(しゅうい)の者が取り決める結婚であった。配偶者選択(せんたく)の条件(じょうけん)は、何よりも家柄や家格(かかく)の釣り合いが優先(ゆうせん)され、結婚当事者(とうじしゃ)の愛情(あいじょう)や相性(あいせい)は二の次となっていた。
しかし、第２次世界大戦後、民法(みんぽう)が改正(かいせい)され、新しい家族制度(かぞくせいど)へと移行(いこう)すると、結婚の方式(ほうしき)も大きく変化した。日本の結婚が見合い結婚中心から恋愛結婚中心へと変わったのは、1960年代後半からである。それに伴い、青年男女のデ―トも広まっていった。恋愛結婚では、婚前(こんぜん)の交際(こうさい)が不可欠(ふかけつ)な条件(じょうけん)であるからである。伝統的(でんとうてき)な日本文化では「男女七歳にして席を同じうせず」という儒教(じゅきょう)の影響(えいきょう)を受け、若い男女が結婚を前提としないで親しく交際することは、好ましいことではないと考えられ、青年男女は社会的(しゃかいてき)に隔離(かくり)されていた。そのため、男女のつきあい方のルールやマナーが成熟(せいじゅく)しているとは言い難い面もある。その一方で、見合い結婚も続いているが、家と家の結びつきという側面(そくめん)が弱まり、男女が知り合うための一つの契機(けいき)という側面が強まっている。また、かつての仲人(なこうど)に代わって、結婚相談所(けっこんそうだんしょ)という新しい社会的結婚斡旋機関(けっこんあっせんきかん)も生まれている。
アンケート調査
●20歳男女の結婚観
「結婚願望」
結婚の時期については、41％の女性が「早く結婚したい」と答えています。この結果は、前年に比べると19％高くなっています。女性の結婚願望は上昇(じょうしょう)傾向(けいこう)にあるようです。
● 結婚の時期 ※（）内は前年比
結婚の時期 男性 女性
「早く結婚したい」 18％(21％) 41％(22％)
「あまり早く結婚したくない」 68％(60％) 52％(66％)
「結婚はあまりしたくない」 14％(19％) 7％(12％)
● 結婚年齢の希望
結婚年齢の希望 男性 女性
１位 30歳(25％) 25歳(25％)
２位 28歳(24％) 23歳以下(25％)
３位 25歳(14％) 24歳(13％)
「結婚相手に求める条件」
多かった答えは、「性格や人柄」、「相性やフィーリングが合う」といったアンケートで必ず上位にランクされる条件。特に男女の違いが見られたのは、男性が外見(がいけん)、女性が収入がランクされている点です。男性が感覚的な条件を求める一方、女性が現実的なポイントを相手に求めているようです。※( )内は前年数値
男性 女性
１位 性格や人柄 91％(82％) 性格や人柄 74％(88％)
２位 相性やフィーリングが合う 80％(74％) 相性やフィーリングが合う
60％(66％)
３位 趣味が合う 38％(31％) 収入 40％(46％)
４位 外見 25％(24％) 趣味が合う 29％(23％)
５位 年齢 19％(26％) 年齢 15％(14％)
◆ 注解◆
プロセス―经过、过程、程序。
見合い結婚―相亲结婚。
武家(ぶけ)―武士门第。
仲人(なこうど)―媒人、婚姻介绍人。
家柄(いえがら)―门第、家世。
家格(かかく)―门第。
デ―ト―男女间的约会、幽会。
相性―缘分、性格相合。
フィーリング―感觉、触觉、情感．
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