中国の将棋です…以上、説明終わり。でも、それだけでは物足りないので、日本の将棋との違いを中心に、あっさり味で仕上げてみたいと思います。
一見して気付くのは駒が丸いことです。相手との区別は駒の向きではなく、色(赤と黒)で表されています。必ず赤と黒なのかどうかは知りませんが、駒が丸いのはたぶんそういうものなのでしょう。
盤上には縦横の直線が引かれていますが、駒はマス目の内に置くのではなく、交点に置きます。
また、盤上には地形があります。盤の中央を横切るように大河があり、両陣の手前中央には宮殿があります。これらは駒の移動に影響を与えます。
将棋のルールとの違いで大きい点は、取った駒が使えないということ。やはりこのルールは将棋の専売特許でしょうか。
また、王駒と王駒が一直線になれないというルールが独特です。間に何らかの駒(敵味方は不問)があればいいのですが、終盤に近づくにつれ盤上から駒が減ってきて、だんだん見通しが良くなってくるので、王駒自体の居場所も大きな意味を持ってきます。
駒は「卒」・「包」・「車」・「馬」・「象」・「士」・「将」の7種類です。もちろん「将」が王駒にあたります。
動きも字でなんとなく想像できるかもしれませんが、「卒」は前に一歩だけ進めます。「包」・「車」は将棋の飛車と同じ動きができます。「馬」はチェスのナイト同様で、八方桂馬です。ヘンなのが「象」でして、斜めに二歩進みます。「田」の字の対角線にだけ進める駒です。ただ、困ったことに大河を越えられません。「士」は斜めに一歩だけ、「将」は縦横に一歩だけ、進めます。「士」と「将」は臆病なのか何なのか、宮殿から出られません。宮殿は9マス(9点?)しかないので非常に狭い感じを受けます。
動きの面で将棋と違うのは、「馬」・「象」といった飛び駒が飛び駒じゃないという点です。つまり、移動する経路に何らかの駒があるときは進めないということです。この点で「馬」の使い勝手がチェスに比べてやや悪いと感じます。
どの駒も進む先にある相手の駒を取ることができるのですが、「包」だけは例外です。この大砲を表す駒は、なんと移動先の駒を取れないのです。取るためには、何か駒を一つ挟む必要があります。
例えば、「包」の3マス先と7マス先に相手の駒がいるとします。このとき前に進むならば、相手の駒の直前、つまり2マス先までしか進めません。ところが、取るのであれば、7マス先へ移動して相手の駒を取れるのです。挟む駒は味方の駒でも構いません。たぶん、象棋の中で最も味わいのある駒だと思います。
成り駒という概念は「卒」にだけあります。大河を越えた時点で横にも一歩行けるようになるのです。後ろに下がれるようになるわけではないので、敵陣の最奧に着いたら横にしか動けなくなります。
どうも、将棋における「金将」や「銀将」にあたるような囲いに使うような駒が見当たらないので、攻め合いになりがちです。しかも王駒と王駒が一直線になれないルールがある上、宮殿の狭さや「包」の存在のため、まだまだ中盤かと思っていたら、ぱったりと詰むこともあります。いわゆる受け潰しは考えない方がいいみたいです。
ワタシは将棋というゲームに苦手意識があるらしく、なかなか素直な気持ちで対局することができないのですが、この象棋ならばそんな感情と無縁でいられるので、なかなか気に入ってます。
定跡などもサッパリわからず手探りでやってますが、それもまた楽し、と言ったところです。