天声人語
2007年11月16日(金曜日)付
明治維新の前夜、長州藩の豪商、梅屋七兵衛は身分を隠して長崎に向かう。藩の密命を帯び、倒幕の武器を仕入れるためだ。長崎から上海へと渡り、1年半後に七兵衛が持ち帰った英国製の鉄砲千丁は、日本の近代をこじ開けた▼
明治维新的前夕,长州藩的富商梅屋七兵卫匿名潜入长崎。此行是肩负藩的秘密使命,为了购买推倒幕府的武器而来。他从长崎取道直奔上海,一年半后七兵卫带回了英国制的千余支步枪,由此撬开了日本近代史的大门。
歴史の節目に時代を回すこともあった武器商人だが、今は事情が違う。権力との深い仲は国を誤らせる。軍需商社の元専務と癒着した前防衛事務次官、守屋武昌氏の行状も、国防への信頼を葬りかねない▼
曾经在历史的变迁中推动过时代发展的军火商,如今早已是时过境迁.他们和权力之间的密切关系亦将贻误国家。与军用物资商社的原专务董事狼狈为奸的前防卫省事务次官,守屋武昌的行径也可能葬送国民对于防卫厅的信赖感。
守屋氏はきのうの参院で、ゴルフ接待漬けについて「私が特殊」と、涙を浮かべて組織や職員をかばった。そこは能弁だったのに、疑惑の核心は三つの「ません」でかわした。いわく、記憶にありません、覚えておりません、承知しておりません▼
守屋在昨天的参议院问讯中,就回答有关沉溺于高尔夫接待一事时,声泪俱下地庇护着防卫省组织和职员们,说道“我是例外”。如此能言善辩的他,在涉及到关键问题时却用三个”不”来规避责任。借口曰:记忆中不存在,不记得了,不知道”。
その代わり、元専務との宴席に同席した政治家として、元防衛庁長官2人の名を挙げた。久間章生氏は六本木、額賀福志郎氏は神田の料亭だったという。防衛族の国会議員や役人への接待ぶりが、ほんの一端にしろ生放送で垣間見えた▼
作为补偿,守屋检举出了两位身为政治家却也曾和他一起出席过原专务董事宴席的原防卫厅长官的名字,据其招认他和久间章生同席是在六本目,和额贺福志郎同席则是在神田的高级日式酒家。对于设宴款待防卫厅一族的国会议员和官员的情形,通过此次问讯的电视直播,尽管只是冰山一角,由此亦可管中窥豹。
手を尽くして取り入る御用商人と、家族ぐるみで墜(お)ちたお役人、ちらつく大名の影。安い時代劇のような、身もふたもない構図である。国庫から軍需商社に支払われ、守屋夫妻の遊興費に化けたのは、私たちの税金だ。この流れのどこかで、犯罪が成立しないわけがない▼
费尽心机巴结权贵的御用商人,携家带眷自甘堕落的政府官员,(腐败背后)若隐若现的显贵身影。宛如一部廉价的历史剧一般,大煞风景的露骨剧情一览无遗。我们缴纳的税金由国库支付给了军需商社,暗中却转化成了守屋夫妇花天酒地的游乐费。在这个流程的某一环节中,无疑已经构成了犯罪。
七兵衛が今の世に現れたら、命がけで持参した小銃や弾薬を持て余すことだろう。なにしろ、託すに値する相手がいそうもない。志の怪しい皆々様に、お国の明日は任せられませんと。
梅屋七兵卫若现身当世的话,一定会为舍命带回来的枪 支 弹 药伤透脑筋吧。无论怎样,看起来似乎连个值得托付的对象也没有。他一定会认为,不能把国家的未来托付给这些心术不正的先生们。
[此贴子已经被作者于2007-11-17 3:31:25编辑过]