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[天声人语]2011年2月18日(金)付 [复制链接]

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离线萧夕雨
常笑的人运气不会太差O(∩_∩)O~
 

只看楼主 倒序阅读 使用道具 楼主  发表于: 2011-02-18
一枚の紙を二枚にせよと言われたら、大抵の人は縦に裂くだろう。むろん、横でも斜めでも構わない。そんな二次元の発想を脱し、紙にも「薄い厚み」があると気づけば、はがすという手が浮かぶ▼通貨変造の手口に、1万円札を表と裏にはがす技があった。裏打ちをしたうえ、人目をはばかり、もっぱらパチンコ屋の両替機などで悪さをする。「2万円」にするつもりが、失敗すれば表裏が共倒れという、思えばマニアックな犯罪だった▼はがしの技は悪巧みに限らない。国宝の「鳥獣人物戯画」にも使われていたことが、修復を手がける京都国立博物館の調査で分かった。全4巻のうちの丙巻は、紙の表裏に描かれた人物画と動物画をはがし、ひと続きの巻物に仕立て直していた▼和紙は植物繊維を漉(す)いて作るので、断面は層をなす。紙が貴重な時代から、べろんとはがせることは知られていた。ウサギやカエルが戯れる甲巻も、丁巻の裏からはがした紙で補修されていたという▼京の高山寺(こうざんじ)に伝わる鳥獣戯画は、平安末から鎌倉時代の作。両面に描いた部分は鑑賞用ではなく、習作か下絵だったようだ。数百年後の江戸前期、「日本最古の漫画」に打たれた粋人が、楽しみを倍にすべく鑑賞しやすい形に加工したらしい▼洒脱(しゃだつ)な素描と寓意(ぐうい)は軽々と時を超え、私たちを魅する。守り継ぐだけでは飽きたらず、この傑作に「何かしたい」誘惑に駆られる人が出るわけだ。描き足し、継ぎはぎで戯画の人間味が増したように、後代の「変造」を含めての文化財である。裏も表もない。