恋に疲れて、前日、付き合っている彼女と手を切って、一人の暮らしに戻った。だいたいの人が恋が一段落をつけた後、昔ごとを思うだろう、せめて、僕のほうはアルバムを開く気になった。それで、一枚の写真に目を留めた。大学時代で親友カップルと俺、あと、俺の彼女、学校主催の旅行に行ったときに撮った写真だ。五月のやや熱い日差しの下に、撮られた四人はみんな、目を細めて、眩しそうにレンズの方向に向いた。確か、日本留学の三年目のことだろうと思う。あの親友とほぼ、同時に彼女ができた。そして、あの旅行は俺ら四人、初めてで、最後の旅行になった。
俺、三年前、日本の群馬県である芸術大学を卒後、ここの大学に移った。彼女は中国から、一直線にここに来た、つまり、日本での経験がゼロ、だからといって、しっかりしたもので、国内で勤勉に日本を学んだらしくて、また、貿易会社での経験者だそうで、おっとりした雰囲気だった。出会ったのは最初の学校の日で教室の出口だった。俺が出よとしたとたんに、まっすぐに彼女にぶつかった。「あ、ごめんなさい、うっかりしたもので。」ちょっと照れくさくて、彼女のほうから、あやまった。「うん」と俺、頷いただけ、出てた。しばらくして、授業始まり、一人一人それぞれに自己紹介をさせてもらうことになった。クラスの殆どうの人が日本に日が浅いのか、うまく喋ってなかった。そう思っているうちに、俺の番になった。「あ、もうか?」と呟いて、教壇に上がった。「本日、こんなたくさんの母国の友達が集まって、これから、一緒に勉強をしたり、話したりすることができると思うと、真に、嬉しく存じます、それでは、簡単に自己紹介をさせていただきます、、、、」俺は勉強好きというわけじゃなくて、原書で推理小説を読みたくて、何気なく、日本語勉強に力を入れはじめ、いつの日から、「日本語本当にうまいね、お勉強家だ」と褒められる立場になった。でも、やはり、褒められると虚栄心が動くから、派手に自己紹介をしちまった。そして、先生の目が光った、拍手をまでしてくれた、それにあわせたように、みんな一斉に拍手を上げっていった。「やり過ぎたかなあ」と今度、俺のほうが照れて、笑おうとしたが、可笑しい顔になったと思う。その時、彼女が目に入った。一番先頭に座ってて、一番に拍手をしてくれて、目には嬉しさと観賞さがいっばいだった。瞬間、胸が熱くなった。