日本語人材というのは、単に日本語が優れている人材としか意味を取られないケースが多いのです。
このような見方が大きな間違いだと思います。
企業で働く以上、言語能力を問う前に、会社員として最低限のビジネススキルが問われるべきです。
ここで言うビジネススキルとは、たとえば物事を論理的に説明できるスキル、問題の本質を把握
できるスキルなど、ビジネスを遂行するうえで最低限必要な能力です。
これらのスキルは、結局メールの書き方、主張の述べ方に反映され、日本語を用いる職場ならば、
日本語力に見なされたことが多い。
このため、日本語を用いる職場でよく見られる失敗例は、上述のスキルが低いため仕事をうまく
全うことができず、たとえば日本人に送ったメールは要点が欠けるので何を言いたいかが完全に
わからなかったり、日本のお客さんの要望を捉えないことで期待外れの行動を取ったりするのです。
しかし結局これらの失敗は、単純に日本語力が低いと見られてしまい、ビジネススキルが欠けて
いるという事実が、よく見落とします。これは、日本語が優れていれば、日系企業でうまく働けると
いう誤解を招く要因であります。
ですから日本語を学んでいる皆さんも、単純に日本語力を求めるのではなく、ビジネス社会に
進出するための最低限のスキルを、できる限り早めに身につけたほうが、有利です。これが、
勝ち組になるか、負け組になるかの境目でもあります。