4、<夢2>
とてもヘンな気持ちだ、、、、、、
ふわふわと闇に浮いている、、、、、、
上下も左右もなかった、空気の抜けた風船のように、妙な闇を漂っている、、、、、、
これは、もう何回って、、、ひさしぶりの飛ぶ夢だろう~~~
、、、、、、
そう思うだけで、身体はゆっくりと傾き始めた、、、、、、
足元には地平線の彼方まで続くゆるやかな山の稜線、、、、、、
夜の底は鮮やかな緑だった~~~
木々の梢は風に煽られて、海藻のようにうねっている、、、、、、
空には無数の星とガラス片で削った鏡面、、、、、、
夜空はこれほど眩しかっただろうか。
、、、、、、
投げ捨てられた宝石のように星たちは発光し、灰色の光りが星の隙間を埋めている、、、、、、
試しにすこしだけ空中を移動してみた、、、、、、
銀の線となり後方へ流れる星だ、わずかな空気抵抗さえ感じない、、、、、、
足を思いだし、思わず歓声をあげた~~~
夢のなかでなら、思いきり駆けることも、こうして飛ぶことも自由だ~~~
ジグザグを描き、冷たく冴える夜空に上昇し、ジェットコースターのようにひねりを加え、急降下してみる、、、、、、(↑、↓)~~~
山の斜面を覆う梢の葉先を、手の指先で点々と叩きながら、晩夏の夜を滑空する、、、、、、(=o=)~~~
夢の中では超能力でもあるのだろうか???
、、、、、、
指先で触れる一枚一枚の木の葉から、植物の感情がたっぷりと流れ込んできた、、、、、、
みずみずしい縁に命の力を溜めて晩夏を歌う声。(^0^)~~~
眠りを邪魔されて不機嫌な声。(~_~)~~~
急激に生長する若木の泡立つような歓びと苦痛。(^V^)+(*!*)~~~
何百回の夏を見つめてきた老木の静かな満足と諦め。(^~^)+(@x@)~~~
最初から、それは不思議な、けれども楽しい夢だった!!!
、、、、、、
あとに続いていく、何回何回だよ~、繰り返しの悲しく夢のことだ、、、、、、
闇にはいきなり足音がある、、、木製の床が軽くきしむ音だ、、、、、、
誰が近づいてくるかわかっている、、、だが闇からは逃げられないよ、、、、、、
まっさきに見えるのは女性の手、、、夢のなかで一番鮮やかで、はっきり出てくるのはこの手なのだよ、、、、、、
ななめうえからおりてきた手が、僕の髪をやさしく撫でるし、頰をはさむ、、、指先の冷たさが微熱をもった頬に心地いい~~~
母の声が聞こえる、、、、、、
「あああ、、、いいい、、、ううう、、、えええ、、、おおお、、、」~~~
???
寝巻き姿の僕の前に、よそいきの花色スーツを着た母がかがみこんでいる、、、いつものとおり軽少な化粧で描き直された温顔だ、、、ほほえみと目と口の端にこまかなしわが浮かぶ、、、優しげで心から愉快そうで、僕の大好きなしわだよ、、、、、、
「、、、abcd、、、大丈夫?ヒくん、、、☆#〃〇△、、、」
(、、、いい、、、ああ、、、うう、、、)~~~
こたえてはいけない、、、僕は闇のなかで母に叫ぼうとする、、、無駄だった、、、夢は夢を見る人間のものではない、、、声にならない叫びはどこにも届かない、、、ひと言でいいよ~、声をかけたいよ~~、ここでうなずけば、何の変転があるだろう、、、、、、
「、、、、、、 、、、、、、」
「、、、、、、 、、、、、、 、、、、、、」
「、、、じゃね、、、あたたかくしていい子にしてね、、、」
夢の足音が玄関へ去っていく、、、終わってしまった、、、ドアが開き、外からか鍵をかける音がする、、、母はいってしまった、、、、、、
、、、、、、
闇の中でお母さんに会ったよ、、、、、、
そこは少し暗く、あたたかで、たっぷりと濡れている、、、、、、
あとは、何処からの光の渦が柔らかに身体を取り巻く、全身を包みこんで、遥かな時間と空間の彼方にむかって翔飛していく、、、、、、
彼方には、お母さんはいるだろう、、、そして、絶対の安心感があふれているだろう、、、、、、
(~~~オカアサン~~~)
。。。。。。
激しい喉の渇きで目を覚まし、皮膚にはいつも薄く汗の膜がかかっている、、、、、
もう眠ることはないだろう、、、、、
起きて、ちょっと熱いシャワーを浴び、濡れたシャツを着替えた、、、冷蔵庫から2リットル入りの天然水をだして、一息で三分の一ほど空けてしまう、、、舌がしびれて甘がった、、、、、、
窓を開けて、外を見る、、、雪のように真っ白な雲がほの明るい曙の空を走っている、、、、、、白雲弧飛だ~~~(_ _)
今日も母に線香をあげるだろう、、、、、、
(、、、おはよう、、、お母さん、お元気ですか、、、、、、)
。。。。。。