[img]二[img]
[img]きみ子はその年の十二月二十四日の朝、父親の仙吉と山へのぼり、球根ごと水仙をぬいて、一日の分を菰につつんで下りてくると、その朝にかぎって、食事の時に、[img]
[img]「お父、鉄砲の音がしておそろしい」[img]
[img]といった。しょぼついた眼の父親は、ふいに娘のいった言葉にぎょっとなり、[img]
[img]「鉄砲てそらなんや 猟師がおるんか」ときいた。[img]
[img]「猟師やない、外国の兵隊さんや」[img]
[img]ときみ子はこたえた。[img]
[img]划线的部分,ありがとうございます