増加する「フリーター」と「ニート」
厚生労働省は、平成16年9月10日の閣議に提出した16年版「労働経済の分析」(労働経済白書)において、15年の『フリーター』は前年比8万人増の217万人、15~34歳の若年層のうち仕事をせず、学生でもなく、職業訓練もしてない無業者『ニート』は52万人に上ると明らかにしました。
まず、『フリーター』と『ニート』の違いですが、厚生労働省の定義によると、『フリーター』は「パート・アルバイトというフリーな立場を選択している人」です。そして、『ニート』は「Not in Education,Employment or Training」の頭文字(NEET)による造語で、定義は「非労働力人口のうち15~34歳、卒業者、未婚で、家事・通学をしていない者」です。つまり、就職する意思の有無で『フリーター』と『ニート』は区別されています。
職業観教育の強化が始まります
学生たちが卒業をしても就職しないで『フリーター』や『ニート』になってしまう原因の一つに、長引く不況の影響があります。学生に対して企業の求人が少なければ、自ら『就職できない=フリーターorニート』の道を選ばざるを得なくなります。
しかし、最近、問題になっているのは、「積極的に就職しようと思わない」「どんな仕事に自分が向いているのか分からなくて、就職できない」と答える学生が増えてきていることです。
文部科学省や厚生労働省をはじめ、国としてもこのような若い人たちが増えることは、国の発展にも影響が出ると心配しており、その対策として、中学校や高校において「職業観」「就職観」を養う教育を強力に進めていこうと考えているようです。
なりたい自分を探すために
「職業観」や「就職観」など、聞きなれない言葉が出てきましたが、簡単に言えば、将来、なにをやりたいのか、どんな職業につきたいのかなどについて、自分の考えを持つこと、つまり「なりたい自分」を見つけることです。
とはいうものの、「どうやって『なりたい自分』を見つけたらいいか分からない・・・」という人はたくさんいることと思います。
「将来設計指導」=「自分さがし」×「自分づくり」
第一高等学院では、「学校生活を通して、生徒一人ひとりが自分の力で生き抜く力をつけて欲しい」「自分の適性と希望を見極め、希望進路実現のための第一歩を踏み出して欲しい」、そんな想いから、社会で活躍できる人になれるよう、教育活動全般を通して自分の適性を見つけ自己肯定感を培う「自分さがし」と学ぶ力・生きる力を培う「自分づくり」を両輪として、生徒一人ひとりが、自分の力で将来を切り開いていくことを支援する「将来設計指導」を行っています。