JTEST读解
以前から、私は、文章というのは一種の建築物だと考えています。大きな論文はビルディングのようなもの、小さな文章は交番のようなもので、文章は建築物であるならば、①それを作るのには、どうしても、設計図がなければなりません。正確な設計図を用意せずに、文章を書き始めたら、論旨不明の文章が出来上がるのは全く当然のことです。
第一に、そもそも、文章を書き始める前に、完成後の姿というか、イメージというか、それが心に浮かんでいなければなりません。どんなビルを作るつもりなのか、どんな茶室を作りたいのか、そのイメージがなかったら、文章を書くという行為は出発することが出来ません。
第二に、どんな建築物でも、いろいろな材料が必要で、これを事前にすべて用意しておかねばなりません。それと同様に文章の場合も、いろいろな観念を取り落としなく用意しておかねばなりません。だれの言葉でしたか、「全ての文章を証明である」と言われるように、結局、いろいろな（＿Ａ＿）を用いて自分の出張の正しいことを証明するのが文章というものなのです。
第三に、材料を実際に使う場合の順序を決定しておかねばなりません。私の経験から申しますと、この点が特に大切なように思われます。自分の主張したい論点は明らかにであり、②それを証明する事実や観念が十分にあると思うと、それでもう安心して、とかく、材料を使う場合の順序を忘れてしまうものです。（＿Ｂ＿）一軒の家を作ろうというとき、最初に瓦を地面に並べてしまったら、地台を作ることも、柱を立てることも出来なくなります。どの材料をどの段階で使うについて、私たちは綿密な計算をしておかねばなりません。
（１）＿＿線①「それ」は、何を指しているか。
１、文章
２、手紙
３、はがき
４、小説
（２）（＿Ａ＿）にあてはまる言葉を次から一つを選び、番号で答えなさい。
１、設計図
２、論旨
３、材料
４、観念
（３）＿＿線②「それ」は何を指しているか。
１、材料を使う場合の順序
２、自分の主張したい論点
３、文章は証明である
４、論旨不明の文章
（４）（＿Ｂ＿）にあてはまる接続の語句を次から一つ選び、番号で答えなさい。
１、また
２、しかし
３、あるいは
４、だから
（５）上の文章は、どのようなことを中心に説明しているか。
１、文章は、一人でにできあがるものではなく、人が作り上げる建築物のようなものであるだから、どうしても設計 図が必要であるということ。
２、文章は、「すべての文章は証明である。」といわれるように、自分の主張の正しさを勧念や事実によって証明す るものであるということ。
３、文章は、材料を実際に使う場合の順序を綿密に計算しておくことが大切であるが、とかく、それを忘れてしまう ことが多いということ。
４、文章は、書きあがったときの読者へのイメージが大切であるから、それを前もってしっかり確立しておかなけれ ばならないということ。 |