yamoli66 |
2012-06-24 22:18 |
『東京タワー』の翻訳(283)
Ⅸ(28) 開けるのが怖かったけれど、オカンはボクに残した箱。 "オカンが死んだら開けて下さい"と書かれた粗末な紙箱を開けることにした。 中にはいくつかの封筒や小箱があった。 紫色(むらさきいろ)の新しい小箱には新品の数珠が入っていた。自分の葬儀で使えるようボクに買っておいてくれたのだろう。きれいな房の付いた立派な数珠だった。 平版な長方形の小箱には、箱の上からマジックで「古いお札」と書かれてある。 板垣退助の百円札が一枚。岩倉具視の五百円札が五枚。伊藤博文の千円札が四枚。聖徳大子(だいご)の五千円札が一枚。 そして、天皇御在位六十年記念に発行された壱万円銀貨が一枚。 この箱は何度か見たことがある。オカンはなぜか古い紙幣や発行枚数の少ない年に作られた硬貨を集めていて、子供の頃、古銭を集めていたボクに時々、見せてくれていた。 ボクが欲しがっても「あんたは渡したら使うてしまうけん、持っとってやる」と言ってくれなかった。この他にも板垣退助の百円札を帯封付きの新券で一万円持っていたのだけど、何年か前、ボクの友達のお祝いの時にそれを上げていたから、ここにはない。 「いつかあんたにやる」という約束を覚えていてくれたのだろう。ボクが一番欲しかった岩倉具視の五百円札の古いデザインの札も、ちゃんと一枚取ってあった。 茶封筒には表書きにこう書いてある。 「オカンの通帳と印鑑が入っています。四月二十五日に十年前にしていた定額貯金が満期になり五〇七五七〇円が入金になります。貯金証書には二十万円あります。第一勧銀にも少しある。みんな解約してあとのことに使って下さい」 たいしたお金も渡してこなかったのに、その中でどうやって貯金をしていたのだろう。ボクのために加入していた生命保険証も入っている。どうやって毎月、それに払えていたのだろう。 虽然有点害怕,但还是打开了母亲留下的那个小箱子。 在那小箱子上面写有“母亲死后再打开”,我打开了那个不太精致的箱子。 在那箱子里面有几个信封和小箱。 在那紫色的新的小箱子里面放有几粒新的念珠。是给我买的要在我的葬礼上使用的吧。是串成串的很漂亮的念珠。 在平板长方形的小箱里面,在箱子上用万能笔写的“古纸币”。 板垣退助的百元纸币一张,岩仓具视的五百元纸币五张,伊藤博文的千元纸币四张,圣德太子的五千元纸币一张。 还有天皇在位六十年纪念发行的一万元银币一枚。 这个小箱子曾看到多次。母亲为什么收集那些古纸币和发行枚数少的年代制造的硬币,在我还是孩子的时候正在收集古币的我,就经常让看看。 即便是我想要,但也没有对我说:“如果给了你你就会花掉,一定要保存好。”除此之外还有封好的一万元的板垣退助的新五百元币。在几年前,如果在我朋友的庆祝会上拿出来的话,现在这里就没有了。 “什么时候被你花掉了?”还记得这个要求。我所最喜欢的岩仓具视的五百元古设计图案,正好拿了一张。 在茶桶的外面写有以下内容: “我的存款单和印章放在里面。在4月25日十年前存的定期款到期,能收到507570元。在存款证书上有20万元。也有一点第一劝银。这些到期后的钱在以后的事情中使用。” 也没有给过母亲那么多的钱,但在这里面的存款是怎么弄出来的呢?为了我也加入了生命保险,如何才能在每月支付这些费用呢? |
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