yamoli66 |
2012-05-28 23:06 |
『東京タワー』の翻訳(263)
Ⅸ(8)
息を引き取ってそれほど時間も経たないうちに、様々なことが他人主導で行われることに憤りを感じながらも、かといって自分ではなにをしていいのかもわからない。 この葬儀屋の中年男性は礼節だけはわきまえているが、その他の感情は一切(いっさい)表面に出さず、ただてきぱきと働く。こうすることがボクたち遺族とバランスを取るためのマニュアル的行動なのだろうか。 悲しみに暮れる間もなく、遺影に使う写真の準備、通夜、葬儀の段取り、それにまつわる料金の打ち合わせもされる。 「母が互助会に毎月積み立てていたものがあるのですが」 オカンが掛けていたものは一番安い葬儀のプランで月三千円の十九回払い。二十七万円のものだった。 「どういうふうにされますか?」 「せっかく母が月月掛けていたものですからこの料金のものでお願いします」 「それでは花代や供え物などが別になりまして、その他、祭壇の雰囲気などで多少、オプション料金ということにもなりますが?」 「それは構いませんけど、花を……」 「はい」 「すべて、祭壇の周りを白い百合(ゆり)で囲んで下さい」 「わかりました」 去世之后还没有过几个小时,各种事情都要服从殡仪馆的人来指导才能开展,虽然对此种方式很不愉快,但自己确实也不明白怎么做。 殡仪馆的一名中年男子也只知道礼节,像感情这些东西什么的一点也没有表现出来,只是那些熟练的习惯动作。这样的事情是和我们这些遗属取得平衡的行动吧。 也没有悲伤的时间,准备选择遗影照片、熬上一整夜、殡仪的各种程序,还要讨论与这些有关的费用。 “母亲在互助会每月都有积存。” 母亲想按最便宜的殡礼方案,每月付3000元要付90次。那也就只有27万元。 “有那样的事情吗?” “难得母亲每月都在交钱,希望就用这样的钱。” “那样的话像花和其它供物的钱就另算了,还有为了祭坛的场景,多少也需交些钱。” “那些就没有什么关系了,增加花吧。” “好的。” “在祭坛的周围全部用上白色的百合花。” “明白了。” |
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