yamoli66 |
2012-04-05 20:31 |
『東京タワー』の翻訳(237)
Ⅷ(14)
ボクたちは、そういう信頼関係でずっとやってきた。それに、この話は死を宣告するために告げるのではない。生きる希望を持ってもらうために知っておいてほしいのだ。 k医師は告知をすると言ったボクを見て、「それならば、私から告知させて下さい」と言った。 それは医師の役割ということなのだろうか。どちらにしても、このすぐ後に行われるオカンにお対する説明にもボクは立ち会う。 「では、先生からどうぞ」 まるで、カラオケの順番を譲るような口調でボクは答えた。 オカンの病室に行くと時間はすでに回っていたらしく、ベッドの横に立ってそわそわしているところだった。 「あんた、やっぱり遅刻してから。先生が待っとんしゃあのにから、もう……」 「ごめん、ごめん。そしたら、行こうか」 ボクとミッチャンは、今歩いて来た廊下をまた同じようにオカンと戻って行った。 さっきと同じ部屋。ライトテーブルに掛けられたままのレントゲン写真。今度はオカンを中心にして椅子に座ると、k医師は軽い雑談を済ませた後、さっきの煮え切らない口調とは打って変わって、不謹慎(きんしん)なくらい立て板に水のテンポで告知し始めた。 我们之间一直保持着这样的信赖关系。尽管这样,但也不能这样以宣告死而告知。希望告知的是还有生存的希望。 K医生看到我们说要采用直接告知的方式,他就说:“如果是那样,就让我来告知吧。” 这也是医生的职责吧。采取哪一种方式都无所谓,对马上要对母亲说明,我一定要在场。 “那么,就请医生您来吧。” 简直就像卡拉OK让谁先唱那样,我对医生这么说。 一到母亲的病房,时间就像倒流那样,在床的旁边站着心神好不安定。 “你呀,真是的,还是迟到了吧。让医生久等了。唉?” “对不起,对不起,已经见面了。这样我们过去吧。” 我和ミッチャン姨一起陪母亲回到刚走过的走廊。 还是在刚才那个房间。在视胶片灯框上还挂着那张X光线胶片。这一次是以母亲为中心各自坐到椅子上,K医生在轻声聊了几句之后,一改刚才那种犹豫不定的口气,也不那么谨慎就像流水节奏那样开始说起来。 |
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