yamoli66 |
2012-03-08 14:36 |
『東京タワー』の翻訳(220)
Ⅶ(36) オカンは自分が水道を沸かしたものを飲んでいても、ウサギにはミネラルウォーターを飲ませていた。 「冬はやっぱり、豚汁がええね。おいしい」 「あんたが中学の時は、野球の練習から帰って来たら、どんぶりで三杯くらい食べよったがねぇ」 「もう、そんなん食えんばい……」 食事が終わるとしばらくして、オカンは肩の回りにタオルを巻いて、ビゲンで白髪を染め始めた。 オカンは若い時から白髪が出ていた。ボクも若白髪が早くから生え始めた。 「後ろ、してやろうか?」 染料を刷毛で練り合わせて、髪に塗ってゆく。手の届かない後頭部の内側は、子供のときからボクが塗る役目だった。 数日後、また東京タワーの麓にあるあの病院にオカンは入院する。 「知っとる看護婦さんもおるけんよかろ」 もう髪の根元はほとんど真っ白だ。 「あんたに言うとかないけんことがある」 「なんね……」 「オカンが死んだらね……」 「死にゃあせん……」 「葬式をね、する時によ」 「その時は、富士山のぶどうと一緒の所に埋めてやるけん」 「引き出しの中に互助会(ごじょかい)の書類が入っとるたい。あんたに迷惑かけんでいいごと、ずっと掛けとったけん、そこに連絡しなさい」 東京に来てから加入したらしい互助会の書類には、一番料金の安い葬儀に月三千円ずつ、もう何十ヶ月も積み立ててあった。 「そんな心配せんでよか……。まだ、死にゃあせんのやけん……」 「オカンは、ガンなんよ……」 「なんでわかるん?違うやろ……」 母亲喝着烧开的自来水,而兔子喝的则是矿泉水。 “到了冬天,猪肉汤真好!真好喝。” “你上中学的时候,打完棒球回来后,你都要喝三碗的。” “什么,能喝那么多吗?” 吃完饭过了一会儿,母亲把围巾披在了肩上,用染发剂染起白头发。 母亲从年轻的时候就长出了白头发,我的少白头从很小也开始长出来。 “帮我染一下后面我够不着的地方。” 用毛刷沾上染料往头发上涂,涂染母亲的手够不到的脑后部分,从孩子那时起我就担当起这个差事。 几天之后,母亲又住进了东京塔脚下的那个医院。 “如果认识的护士还在的话就好了。” 头发的发根几乎全白了。 “有件事还没有给你说。” “什么事?” “母亲将要死了。” “怎么会死呢?” “在举行葬礼的时候。” “那个时候,就和富士山脚下葡萄兔子埋在一起。” “在抽屉里有互助会的证书。为了不麻烦你,好多事情都已经做好了,请联络那个地方就可以了。” 来到东京之后在互助会的证书上已经存上了每月3000元最便宜的葬费,已经有数十个月了。 “怎么会那么费心呢?这不还没有死吗?” “母亲患癌了。” “你怎么知道的?不对的。” |
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