蛍の季節になりました・・・
幻想的な光の中に美しきロマンと憂いを感じる次第でございます!!
古来より
・音もせで思ひに燃ゆる蛍こそ 鳴く虫よりもあはれなりけれ―「後拾遺集216」源重之
・こゑはせで身をのみこがす蛍こそ いふよりまさる思なるらめ(源氏物語第二十五帖 蛍の巻)
・我が恋は 水に燃えたつ蛍々 物言はで笑止の蛍 (閑吟集) 水=見ずとの掛け言葉らしい
等の歌が詠まれています。
上記の本歌から
恋に焦がれてなく蝉よりも、鳴かぬ蛍は身を焦がす と言う、都都逸が生まれたと言うことです
「枕草子」には
夏は、夜。月の頃はさらなり。闇もなほ。螢の多く飛び違ひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし
現代訳
夏は、夜がよい。満月の時期はなおさらだ。闇夜もなおよい。蛍が多く飛びかっているのがよい。一方、ただひとつふたつなどと、かすかに光ながら蛍が飛んでいくのも面白い。雨など降るのも趣がある
また、「源氏物語」第二十五帖「蛍」の巻には、
光源氏が部屋に“蛍”を放ち、玉鬘の美しさを“蛍の光”でいっそう引き立たせると言う場面があり、蛍を用いての演出は想像するだけで風流な心使いの様子が思い浮かびあがる次第でございます
“源氏ボタル”の名はこの場面に由来するとも云われています。
諺に 「蛍二十日 に蝉三日」とあります。
命の長さを表しているもですが・・・ 蝉より弱弱しく、儚いイメージが強いですね
蛍もまた、哀れさを感じさせる初夏の風物でございます
合掌 阿弥陀仏~~