無常
無常とはの最も大事な世界観の1つで、すべて生あるものは必ず死に、変化しないものはない、という生々流転の認識です。日本では古くから文学の主要なテーマとなり、中世の『平家物語』『方丈記』『徒然草』や江戸時代(1603~1867)の芭蕉の『奥の細道』など、日本の有名な作品の基調をなしています。
『平家物語』では「……盛者必衰のことわりを表す。おごれるものは久しからず……」と強大な勢力を誇った最初の武士集団、平家が滅亡した物語を語り、『方丈記』では「行く川の流れは絶えずしてしかももとの水にあらず……」と、エッセイの冒頭を無常観から始めています。