第二十課 代理
先生:戦後の日本の経済成長が大変順調ですが、ただ第一次石油ショックの影響が深刻になった1974年で、GDPの実質の伸びはマイナス0.6%でした。
学生:ところが、このところ景気が悪いといわれていますが、成長率はマイナスではないんですか。
先生:実は、不況といわれていますが、かろうじてプラス成長を確保しそうです。
学生:実際の景気の落ち込みよりも、心理的な落ち込みの方が大きいということですかね。
先生:そうですね。今まで日本経済は、がむしゃらに経済の発展、企業の成長を目指して、脇目も振らずに走ってきたわけです。石油危機や円高不況なんとか切り抜けてきたわけですが、今回はバブルが弾けたという形で、初めて外部要因でないものでつまずいたわけです。またこれまでは、「欧米に追いつき追い越せ」でやってきたのに、その目標がどうやら消えてしまったという目標喪失感もあるかもしれません。いずれにしても今、日本経済は大きな曲がり角にきています。つまり、地球環境問題も出てきて、エコロジーやリサイクルという考え方も必要になってきました。
そこで、日本経済の構造転換をしなければならないということになるわけです。
学生:構造転換とは?
先生:70年代初めの石油危機の後にも、構造転換といわれたのは、エネルギー多消費型社会をいかに変革するかというものでした。したがって省資源が叫ばれたわけですが、それも結局は、高い石油を使って、いかに安くモノを作るかということでしかなかったのです。今は、そのモノつくりをどうするか、という根本的な見直しが必要とされているのです。
学生:具体的にはどういうことなんですか。
先生:例えば、これまでは「いかにいいものを安く作るか」という点に重点が置かれていましたが、これからは「いかに使いやすく、また再利用が可能で環境に優しいモノを作るか」に重点を変えるべきでしょう。
学生:今後の日本経済はどうあるべきかという問題になりますね。
先生:日本政府の私的諮問機関から次のような政策を掲げたことがあります。「内外に開かれた透明な社会」「生活者を優先する経済社会」「世界と調和し、世界から共感を得られる経済社会」などの項目を挙げています。また、「規制の緩和」「内需型経済の形式」「世界に自由で大きな市場を提供し、かつ多角的な海外支援を実施すること」などを打ち出しています。
学生:国際社会で日本はどうあるべきかについてですが。
先生:今後の日本は、発展途上の協力も、経済協力や生産技術の移転にとどまらず、教育、医療といった分野での協力も必要となってくるでしょう、いずれにしても日本経済の発展だけでなく、世界経済全体が発展していける環境づくりに一役買うことが「顔の見えない国」という批判もある日本の国際化にもつながっていくのではないでしょうか。
やっと終った。疲れた。
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