■■第1回 ユニークな競技施設■■
あと450日に迫った北京オリンピック。チケット販売も始まり、競技場の建設や準備が着々と進められている。その中でもランドマークとなるユニークな二つの競技施設を紹介しよう。
メーンスタジアム「鳥の巣」 網の目状に張りめぐらされたフレームが印象的な「鳥の巣」。オリンピックグリーンと呼ばれるオリンピック公園の中にあるユニークなデザインのメーンスタジアムだ。スイスと中国の建築家の共同設計である。オリンピックグリーンの中の鳥の巣 - オリンピックに向けて中国が抱える多くの環境問題への取り組みと希望の象徴のようだ。9万人が収容できるこの「鳥の巣」は開、閉会式、陸上競技、サッカーなどに使用される。但しオリンピックが終わった後はその高額な維持費のために命名権を企業などに売り出す。
木の枝を集めた「鳥の巣」をイメージした競技場をつくるために、斜めに交差するように鉄骨を張りめぐらしている。デザインだけでなく、この競技場の建設方法も実にユニークだ。「巣」の鉄骨の重さは4万2千トン、屋根などの支えのない部分の重さは1万1200トンある。鳥の巣の雰囲気を出すため鉄骨が斜めに交差しており、この建物をどのようにして建設するか気になることだと思う。「鳥の巣」工事中は78本の仮設の柱がこれらの重量を支えるために組み込まれた。工事終了後にリフティングジャッキ156台で、仮設の柱の抜き出し作業をするという手間のかかった建設方法を取っている。しかもわずかなミスがあると鉄骨間に隙間が生じ、「鳥の巣」のバランスが悪くなるため、CPUによるコントロール方式で作業は極めて慎重に行われた。2008年3月の完成をめざす。この建設プロセスを北京オリンピックの公式サイトで見ることができる。建築の知識はなくても、この奇妙な建物ができる様は、見ているだけで実に興味深い。
http://en.beijing2008.cn/02/41/Nationalstadium.shtml
場所:北4環路、オリンピック公園内
もう一つユニークな建築物として完成が待ち遠しいのが、「鳥の巣」の向かい側に建てられている「ウォーター・キューブ」と呼ばれるプールだ。水泳、飛び込み、シンクロナイズドスイミング、水球が行われる。こちらはオーストラリアと中国の共同プロジェクトで、青く透明感のあるキューブに、立体的で色々な形の「泡」が壁と屋根いっぱいにはめ込まれるという斬新なデザイン。オリンピック時の収容人数は17000人。
この施設は北京オリンピックのテーマの一つである、「グリーン・オリンピック」(環境にやさしいオリンピック)の実践の集大成だ。建物の外側には、軽量で強度のあるFETEフィルムで太陽の光を取り入れ、プールの水の熱源として使われる。また自然の通風と光を最大限利用し、室内にいながらも、それぞれの場所に応じた快適な温度と湿度を供給する。更に効果的な水のリサイクルも行われ、水質も国際基準レベルを維持させる。
泡の一つ一つには3