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中国で無料予防接種スケジュールが一部変更

 中国衛生部は2008年2月より、『免疫スケジュール拡大実施方案』に基づいて、新たに無料で予防接種できるワクチンの種類を増やした。

 上海市の場合、これまではB型肝炎・はしか・流行性脳炎・日本脳炎・結核・小児麻痺・百日咳-ジフテリア-破傷風三種混合・ジフテリア破傷風二種混合の8種類が無料接種の対象となっていたが、今後あらたにA型肝炎・はしか-おたふくかぜ-風疹三種混合ワクチンも無料予防接種スケジュールの中に組み込まれた。

 中国では地域的な格差もあり、たとえば医療的環境にも恵まれている上海人の場合なら、ほぼ毎年99%以上の無料予防接種の接種率を保っていて、出稼ぎ労働者などの子供に対しても85%以上の摂取率をキープしているという。ただ、上海市など都市部では流動人口が多いため、予防接種の確実な普及がネックとなっている。

 これ以外にも、中国各地の実情によって、無料で予防接種されるワクチンの種類が異なる。例えば、炭疽やレプトスピラ症のワクチンに関しては、洪水などが発生したエリアで流行の危険性があるときなどに緊急に予防接種が行われる。出血熱流行重点エリアに関しては、16歳~60歳の人を対象に無料予防接種を拡大する。

 中国の場合、小児麻痺の撲滅状態の維持とはしかの消滅、B型肝炎の抑制が進められていて、目標では2010年までに中国全国でB型肝炎・結核・小児麻痺・はしか・百日咳-ジフテリア-破傷風三種混合の接種率を90%以上に高めたいとしている。また、日本脳炎やA型肝炎・流行脳炎に関しても、ワクチンが不足しがちで接種の拡大が難しいとしながらも、普及に力を入れていく。 

 今回の規程では、中国が無料接種を定めた予防接種に関しては、規程の順番で、該当年齢に達したときに予防接種を受けなくてはならない。また、新しく盛り込まれた予防接種に関しても、順次予防接種を実施していく。(2008年3月記・山之内 淳)


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