第6回 ラ・リ・ル・レ・ロハス?!~上海女性のヨガ&ヨガウエア事情~(前編)
ヨガは女性を美しくする?
先日、日本に一時帰国したとき、かつての仕事仲間に会った。女性ファッション誌の人気モデルであり、TVやラジオでも活躍していた女性である。彼女は、大学卒業と結婚を機に一切の芸能活動をすっぱり辞め、2002年に渡米した。現在は、生活の拠点であるサンフランシスコで、ヨガのインストラクターとしてクラスを受け持ち、自分自身もヨガにまつわる色々を勉強中だ。 「サンフランシスコ・バークレイは、土地柄もあって、ヒーリングや健康への志向が強く、お年寄りから子供まで、老若男女、ヨガを生活の一部として取り入れているんですよ。エクササイズやダイエットとしてではなく、その背景には、医療費が高いということもあると思う。だから、そういう意味で、日本とは違い、層が厚くて、成熟していると思う」 と、大きな瞳をクルクルさせて話す彼女。彼女の話に耳を傾けながら、私は彼女自身にも見とれてしまった。奥から滲み出る揺るぎない美しさと、優しさと、余裕とが備わった彼女は、華やかな世界に身を置いていたときよりも、一層輝きを増したような気すらしたからだ。モデル時代の終わり頃から、体質を改善したくてヨガを始めたとは言うけれど、ヨガって、こんなにまで女性を美しくさせるのだろうか。
おしゃれヨギーニ率の高い、日本
そもそも、ヨガの発祥はインドである。5000年前の北インドのインダス文明に始まったと考えられ、3000年以上に渡って、多数のヨガが派生し、様々な経験や気質に適合するものに改善され、実践されてきたという。たとえば、ハタ・ヨガは、肉体が開放され、悟りを得る準備として、身体を浄化して強固なものにするエクササイズに依拠し、欧米で最も知られているヨガだ。(詳しくは専門書をご覧あれ) しかし、日本では、悲しいかな。10数年前の宗教事件において、“ヨガ=怪しい”なんていうレッテルが貼られ、以来、なかなか正しい教義が定着する土壌が育たなかった。ところが、4~5年ほど前から、スーパーモデルのクリスティー・ターリントン、マドンナ、メグ・ライアン、グウイネス・パルトロウといったセレブリティが嗜むエクササイズとして、ヨガのイメージが一新。日陰の身であったヨガが、大手を振ってお天道様の日の光を浴びられるようになった。 そこに、ロハス(LOHAS = Lifestyles of Health And Sustainability)「人と地球にとって、健康で持続可能な生活スタイル」「自分の健康的なライフスタイルに気をつかいながら、同時に地球環境や自然保護に気をつかう人たち」という欧米の考えが移入。エコ、オーガニック、スローライフなどをキーワードに含む、この志向なんだけど、ヨガはここにおいて「自己実現」の流れを汲むエクササイズとして、ますます“日陰”のイメージを払拭した。 さらに、ヨギーニであるクリスティー・ターリントンのプロデュースするプーマの「ヌアラ」、カナダのブランド「ルル・レモン」、LVのヨガバッグのリリースなどを発端に、ヨガがエクササイズというより

