第5回 やっぱり、ブランドが好き、好き、好きっ!~上海女性の最愛ブランド事情~(前編)
ニセモノなんて、いらない
世界一美しい夜景が見られるゴルフ練習場へ、知人と共に行ったときのこと。知人の連れで、チャキチャキの上海語を話す25歳のその女の子は、オーバーサイズの黒のVニットに、黒のレギンスで、スタッズやステッチの効いたパンプスを履いていた。手にはグッチのモノグラム柄のミニ・ボストンを持って、待ち合わせ場所に現れた。
私が日本人と知るやいなや、彼女はグッチのバッグの中からゴソゴソと、なにやら取り出した。ストラップやキーホルダーの付いた携帯電話を、こちらに向けて、「ホラッ」と差し出す。あ、キティちゃん。 一流ブランドと少女趣味なキャラクターとの絶妙なバランス、とまで彼女は意識していないだろうけれど、日本でも、こんな人は少なくない。グッチのバッグからキティちゃんがこんにちはだけでなく、エルメスのバッグからキューピータラコがこんにちはというのだってある。
「“エル・ヴィー”は、ちょっとおばさんっぽいから、私はグッチが好き。それから、今欲しいのは、ブルガリのB・ZERO1のリングか、カルティエの新作ラブ・リング」と彼女。ニセモノには全く興味はない。お給料の何ヶ月分だろう……と、計算しながら、こうも言った。 「能力をつけて、今よりもたくさんお給料をもらって、好きなブランドのものを買いたい。おしゃれしたい!」。 動機はどうであれ、その真っ直ぐな志で、彼女はキラキラ輝いて見えた。
★ ★ ★そして、ある日、そんな彼女の志を体現したかのような上海っ娘と知り合った。年のころは30歳。ソフト会社勤務のOLである。触ってもいいですか?というほどにキメ細やかな肌で、女性誌のヘアカタモデルちゃんのようにヘアメイクも決まっている。大きく開いたデコルテには、ヴァンクリーフ&アーペルのアルハンブラネックレス、手首にはセリーヌのチャームが派手に揺れるブレスレット、バッグはルイ・ヴィトン。白地にマルチカラーのモノグラム柄である。聞けば、ブルガリのネックレスもいくつかコレクションしているという。 その彼女の友達はというと、腕にはカルティエ タンクフランセーズの時計。セブンのデニムスカートにD&Gのベルトという出で立ち。時計は、他にもフランク・ミューラーのも持っているという。ボーイフレンドに買ってもらったんだとか。
なかなかのツワモノ揃い。一流ブランドのオンパレードだ。これらのアイテムを、彼女たちは、年2~3回の香港への買い物旅行で手に入れているという。上海よりも2~3割安いらしい。ある意味、買い物上手ともいえるのか。
そういえば、このサイトの担当編集の人が言っていたっけ。「香港のデパートでは上海語が飛び交っていて、どこも上海人でいっぱいですよ」とか、「行きは飛行機で、帰りは列車。なんでかわかりま

