中国には数々の年中行事あるが、大きく3つに分けることができるだろう。まず、共産党の記念日等。つぎに伝統的な習慣。そして商業と娯楽が結びつき若者を中心に広まりつつある西洋の習慣の3つである。中国人にとって最も重要なのは、日本の正月に値する『春節』である。次が『中秋節』、そして第三が老人を敬う国らしく『老人節(もともとは重陽節)』だ。旧暦を重視する中国では、これらはいずれも旧暦で祝われる。また、中国人にとって食は大事な位置をしめる。旧暦にもとづく記念日はそれぞれ『粽』や『月餅』など特別な食べ物とも結びついていて興味深い。
●元旦〔Yuan2 Dan4〕(1月1日)
1月1日のみ休みとなる。日本のように元旦を祝う習慣は基本的にない。企業の新年度はこの日から始まる。
●春節〔Chun1 Jie2〕(旧暦1月1日)
日本の正月と同様、中国人にとって最も重要な節会。地方から出てきている人々は故郷に帰り、上海の人々は「除夕」(旧暦の大晦日)に夫の家族が家に集まり年夜飯という中国版おせち料理を食べる。料理の内容は、余暇やお金が余るようにと願いを込め余〔Yu2〕と同音の「魚」、吉が多いようにと吉利の吉〔Ji4〕と同じ音の「鶏」、来る年はさらにいい年であるようにと「年年高昇」の年高〔Nian2 Gao1〕」と同音の「年●(「米」に「羔」)(餅)など縁起を担いだものが並べられる。北京は必ず餃子を食べるが上海ではその習慣はない。
以前は「高昇」という意味を込めて爆竹を鳴らし新年を祝ったが、現在市内では禁止されている。
子供は「紅包〔Hong2 Bao1〕」と呼ばれるお年玉をもらう。
一般に翌日は、妻の家族と新年を祝う。
2004年から5年間の春節に当たる日は次のとおり。
2004年1月22日(木)2005年2月9日(水)2006年1月29日(日)2007年2月18日(日)2008年2月7日(木)
●元宵節〔Yuan2 Xiao1 Jie2〕(旧暦1月15日)
旧正月から15日目をいう。一家円満を願い、「湯圓〔Tang1 Yuan2〕」というスープに餡入りの団子の入ったデザートなどを食べる。
●バレンタインディ(情人節)〔Qing2 Ren2 Jie2〕(2月14日)
西洋の習慣の影響を受け、バレンタインディーが若い人たちの間でかなり一般的となった。欧米の習慣に倣い、基本的には男性が女性にバラの花束を贈ったり食事をご馳走したりする。この日のバラの値段は1年で最も高い。なお、3月14日のホワイトデーと同様の習慣はない。
●婦女節〔Fu4 Nu3 Jie2〕(3月8日)
国際婦人デー。多くの会社で女性のみ半日休みとなる。
●清明節〔Qing2 Ming2 Jie2〕(4月5日頃)
1年を24等分し約15日ごとに分けた24節季の一つに清明節がある。緑茶の産地杭州で、この頃作られる龍井茶は最も高級で味も香りも良いとされる。一般には、祖先の墓に参り、墓の掃除をする。
●労働節〔Lao2 Dong4 Jie2〕(5月1日)
メーデー。1週間ほど連続した休みになり、日本のゴールデンウィークの直訳であろう、「黄金週間」とも呼ばれる。豊かになった都市部では、休暇を利用して中国国内旅行や、オーストラリアや東南アジア等海外旅行に行く人も多い。国内の観光地は大変混んでいる。
●児童節〔Er2 Tong2 Jie2〕(6月1日)
国際子供デー。一人っ子政策の為「小皇帝(小皇帝〔Xiao Huang Di〕)」と呼ばれる贅沢な子供が多い。14歳以下の児童は休日となり、両親と行楽地に出かけたり(両親も半休となることがことがある)、プレゼントをもらったりする。
●端午節〔Duan1 Wu3 Jie2〕(旧暦5月5日)

