上海外灘トンネルプロジェクトがはじまる
11車線の外灘エリアの中山東一路はかなり手狭に
外灘エリアの交通渋滞を改善するため、外灘の建築群の地下にトンネルを通すプロジェクトがいよいよはじまる。これにあわせて、外白渡橋も大補修を受けるほか、目障りと評判の悪かった呉淞路橋と延安路高架道路からのスロープも撤去される。完成するのは2010年3月の見込みだ。
●交通渋滞と景観から外灘を守るため
2008年2月現在の中山東一路
外灘の建築群は、上海を代表するエリアで、観光客も非常に多い。一方で、外灘の前を貫く中山東一路は、虹口区から南浦大橋方面を結ぶ主要道路で、現在は上下線あわせて11車線の道路となっている。さらに北外灘開発プロジェクトが進むに従い、北外灘には大型客船が発着する港(北外灘国際客運中心)が姿を見せ始めている。外灘の南側に位置する十六鋪地下開発プロジェクト、さらにヨットハーバー計画も動き出した。こうした背景から、外灘エリアの交通渋滞を解消することが急務となった。
北外灘エリア(建設中の北外灘国際客運中心を望む)
もともと、金融街が集っていた外灘のウオーターフロントエリアは、今のような堤防がなく、客船が発着し、緑地が広がっていた。新中国建国以前からも、憩いの場所として親しまれていた。
その後、堤防や黄浦公園が作られるなど1980年代に一連の改造がほぼ完了して以来、現在までほぼ大きな開発・改造は行われてこなかった。そういった意味では、上海中心部で一番変化の少ないエリアかもしれない。
外灘地区交通総合改造プロジェクトは、2007年4月に関係部署の批准を受け、今回の外灘トンネル以外にも、人民路トンネルと新建路トンネル工事も行われており、こちらは2009年6月に貫通する予定となっている。

