2010年、上海の2つの空港が地下鉄で結ばれる
2007年7月25日、地下鉄2号線の空港側への延長工事が始まった。今まで、リムジンバスかタクシー、もしくはリニアを使ってしか行けなかった浦東国際空港が、地下鉄で直結し、上海市中心部までつながることになる。また、2010年までに虹橋空港と地下鉄2号線がつながることが決まっており、これでついに上海の2つの空港が地下鉄で結ばれることになる。
●地下鉄2号線の概要
上海地下鉄2号線は、124億元を投資して、1995年12月に工事が始まり、3年9ヶ月の時間を要して完成した、上海で2本目の地下鉄だった。工期が短かったことでも有名。主に浦東と浦西を結ぶ幹線路線として建設され、まず第1期工事で中山公園駅から張江ハイテクパークまでの区間が開通した。日本の地下鉄車両よりもひとまわり大きい5扉の6両編成の列車が走る。完成当時、まだ今のように地下鉄の利用者数が多くなく、浦東と浦西を結ぶ区間では、運賃の割引を行うなど利用促進のキャンペーンが行われたこともあった。
2006年末に中山公園から西側の区間が完成し、虹橋開発区へのアクセスが格段に改善した。2号線の運転間隔は3.2分で、利用客は1日のべ70万人に及ぶ。今では、とくに陸家嘴と人民広場の間での混雑が著しく、急遽地下鉄4号線の車両を転用して、車両不足を補っている。
●浦東川沙鎮や張江ハイテクパークが便利に
地下鉄2号線の延長は、空港アクセスだけでなく、いままでバスでしかアクセスできなかった張江ハイテクパークや、上海浦東新区では歴史を誇る街の一つである川沙エリアが、上海市の中心部と直結することの意義は大きい。川沙は浦東新区東部の経済・商業の中心地でもある。
今回延長される区間は、竜陽路駅を起点にすると、浦東国際空港までの距離は30.8キロで、所用時間は約45分となる見込み。途中、竜陽路から先は、張江高科駅・金科路・広蘭路・唐鎮・唐鎮東路・華夏東路・川沙・川沙東・遠東大道・海天路・浦東国際空港の各駅となる。
新たに設置される12駅のうち、地下駅が9駅、地上駅が1駅(浦東国際空港)、高架駅が2駅となる見込み。また、空港に近い海天路駅には、空港利用客のための大型駐車場が設置される計画だ。現在、張江ハイテクパーク駅は高架駅だが、地下駅に変更されることが決まったほか、現在地下にある竜陽路駅も大改造が行われる。
浦東国際空港から虹橋空港まで全線乗車すると、所要時間は1時間20分程度になる見込み。
●浦東国際空港ではリニア駅と平行して停車
浦東国際空港の拡大工事はつづき、空港に最も近い海天路駅は、空港敷地内の駅となるほか、

