特集:上海新地下鉄
浦東を南北に結ぶ上海地下鉄6号線
今回開通する地下鉄の中で、唯一浦東だけで完結する路線が地下鉄6号線だ。総延長33.5キロで、途中28の駅が設置されている。全線乗り通すと50分ほどかかる。外高橋保税区・金橋輸出加工区・六里現在生活園区・三林居住区など上海浦東新区を代表する産業貿易の中心と住宅地が結ばれることになり、1日の利用客はのべ8万人と予想されている。
途中、外高橋保税区の港城路駅~五蓮路駅までは高架線となっていて、高架駅の天井には白いテントが使われるなど、特徴ある構造となっている。また、高架駅特有の寒さ・暑さ対策は、ホームに30平米前後のガラス製の待合室が作られ、空調設備が設置された。こうした待合室は地下鉄5号線ですでに採用されている。ホームの長さはたった80メートルとこれも上海の地下鉄では最も短い。ちなみに、1号線・2号線に関しては180メートルの長さを確保している。
6号線の沿線は、大型の住宅地が多いことも特徴だ。東溝居住区・金橋新村・羅山新村・香山新村・竹園新村・濰坊新村・塘橋・竜陽路居住区・臨沂-昌里居住区・三林居住区など22カ所に上る。高架線が住宅地の間を走ることもあるため、騒音対策として防音壁や、騒音の出にくい軌道が採用された。
外高橋保税区に行列するトラック
●小型のC型列車が採用される
列車は4両編成で、定員824人のミニ地下鉄だ。ラインカラーはピンクレッド。「海上の雲間から溢れる光線」のイメージだそうだ。C型の列車は、地下鉄5号線でも使われているが、こちらは貫通路が開放されていて、車輌間を歩くことが可能。見るからに小柄なので、ラッシュ時に対応できるのかかなり不安を感じる。また、ホームに余裕がないので、将来の人口増加にどのように対応するのか課題が残るだろう。
駅の自動改札機にも新しい試みがみられる。これまで、荷物をもって自動改札機を通るのは至難の技だったが、荷物が多くても通られるゲート式の自動改札機が一部設置されている。車いすの人でも通行が可能なようだ。

