小倉百人一首 1
秋の田の 刈り穂の庵の 苫をあらみ
わが衣手は 露に濡れつつ
天智天皇
あきのたの かりほのいほの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ てんじてんのう
現代語訳
秋の田の辺にある仮小屋の屋根を葺いてある苫の編み方が粗いので、私の袖は苫屋根の隙間から漏れ落ちる夜露に濡れるばかりである。
秋のたのほとりにあるかりごやのやねをふいてあるとまのあみかたがあらいので、私のそではとまやねのすきまからもれおちるよるつゆにぬれるばかりである。
中国語訳
秋来田野上,且宿陋茅庵。 夜半湿衣袖,滴滴冷露沾。
金黄的原野已是深秋,
茅草棚何等粗陋。
拂晓前,
露冷风凉,一滴滴沾湿了我的衣袖。
①「刈り穂の庵」:粗末な番小屋、草庵(そうあん)。
「かりほ」は「仮庵」と「刈り穂」の掛詞。

